--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


2010.09.30

似顔絵描きの少女


昔、後輩から

「先輩、実は私、人の3倍恐怖を感じてしまう病気なんですよ」

と言われたことがある。

(あ、これはまずい)と思い

「へー、それは大変やろーな。あんまり深く悩むなよっ」

と、あっさり塩味で答えると

「お父さんの暴力でお母さんが行方不明になって、お姉ちゃんが自殺して、今はおじいちゃんの家で母親の違う弟と妹と暮らしてるんです」

と、聞いてもいないフルコース料理を語りはじめた。

こういう相談をされることは昔から多いけれど、ここまでピースが揃った子も珍しいので、とにかく一つ一つの話を冷静に聞いていくことにした。

話を聞く限り、かなり壮絶な半生を送っていて、俺が今後についてアドバイスをするのは筋違いだなと感じたので、ただただ話を聞いてあげた。

そして最後に「デートして下さい」と言われた。

当時の俺の力量でどーこーなる相手じゃないと思ったので丁寧に断ったけれど、今の俺なら海よりも深いふところと、宇宙よりも広い心で、彼女の恐怖心を抑えてあげられるかもしれない。

そんなことをふと思ったのは、この子から6年ぶりくらいに届いたメールを読んだとき。


「お久しぶりです!実は先輩よりかっこよくて優しい彼氏が出来ました!でも浮気者らしいんですよ(涙)」


何だろう、このやるせない気持ち。



おしまい
スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。